【接客業だけの問題じゃない】日本全体の過剰サービス化を止めるには?

【接客業だけの問題じゃない】日本全体の過剰サービス化を止めるには?

過剰サービスに関する批判の声は数年おきにあって、「お・も・て・な・し」の話題とか、留守の時は3回配達する運送会社のサービスとかがあったとき、盛んになった印象があります。

それらの論調は「過剰サービスがクレーマーを生む」「過剰サービスが日本人を疲弊させている」といったもの。

確かに、私も同感です。

過剰サービスを受けると店員さんのメンタルが心配になる

コンビニとかドラッグストアの接客とかが百貨店なみの気遣いレベルになっていて、給料は上がらないのに店員さんのやることだけはどんどん増えてますよね。お客として丁寧な接客を受けられるのは嬉しいけど、今の接客マニュアルって「炎上・クレーム予防」の側面がすごく強い気がします。

接客サービス全体が不安を回避するための過剰包装で「あ、そこまでやらなくて大丈夫ですよ?…というか、あの、大変ですね…ストレス溜めないように気を付けてくださいね…」と声をかけたくなるときがあるんです。

破損防止のために商品を紙で包んで、プチプチでくるんで、箱に入れて、包装紙で包んで、紙袋に入れて、雨が降りそうだからビニール袋でさらに包んで…みたいな。のしつけますか?リボンかけますか?プレゼントする時用の紙袋入れときますね、みたいな?

とにかく先回り先回りのサービスになってて、それはもう気が利いててすごいですね!とは思うんだけど…。

サービスの価値が下がり続けている現状

提供するサービスの質はどんどん上がっているのに、価値は下がる一方。しかもクレーム対策のしわ寄せって、現場で働いてる人たちが負ってますよね。実際対応するのが現場だから。

当たり前のように過剰サービスを受け続けると、お客は慣れてしまいます。サービスに求める要求レベルはどんどん上がっていって、またクレーマーが出る。クレーマーを生む悪循環で、際限なくなりますよね。

過剰サービスの問題は定期的に話題になるけど、この傾向はやっぱり今も変わっていません。コンビニとかドラッグストアとかスーパーとか、身近なところで過剰サービスはよく見られます。何年経っても変わらないのは、結局これが日本人の気質だからなのかなと思います。過剰だと言いつつ言われつつ、この社会は多分ずっとこのまま。

給料を上げない会社に対しての過剰サービスにもなっている

過剰サービスってお客に対してだけじゃありません。従業員からすれば、自分の生活を握っている会社に対しての過剰サービスにもつながっているわけです。本来、従業員に過剰サービスをさせるなら給料は上げるべきだし、それができないなら過剰サービスをさせるべきじゃない。

だって、高卒の私が会社員だった20年前と今の若い人たちの給料、全然変わってないですもんね?正社員なのに手取り20万円切るってザラじゃないですか?物価は上がってるのに。相手がお客か会社かの違いだけで、今は国民全体が過剰サービスを求められている時代なんですよね。バイトにだって、細かいマニュアルがありますし。

サービスの価値下落って、労働者の価値の下落と同意です。

確かに従業員は「会社の顔」ではあるけど、給与の割に従業員に追わせる責任が大きすぎないか?と、かなり疑問に思っています。多少のサービスは必要かもしれないけど、過剰サービスは必要ありません。

少数の受け取る側が「過剰サービス」を求める社会

「お客VS店」ってだけじゃなくて、少数の受け取る側の人たちが「過剰サービスを求める」傾向は強いですよね。ちなみに、いまや年金制度だって国民が過剰サービスを求められている状態になっています。将来、もらえるかどうかわからないのに、支払う額だけは上がっているわけだから。

炎上・クレーム対策としての過剰サービスは日本人の事なかれ主義が、会社が従業員に求める過剰サービスは不景気が原因です。会社はクレームによる風評被害を食い止めたいけど、給料を上げる余裕はない。だからすべて従業員にしわ寄せがいく。

でも、多数の労働者に過剰サービスばかりを求めていたら、そのうち日本は立ち行かなくなります。日本人は疲れきって気力がなくなるか、そっぽを向き出します。その片鱗はすで見えているし。

一人ひとりが毅然とした態度を取れれば過剰サービスはなくなる

過剰サービスの流れを止めるには、個人が強くなるしかない気もします。自分の軸を持って、自分の価値感を信じて動けるようになること。これが大事かなと。「過剰サービスを求められる=弱味につけ込まれる」ってことだから、やっぱり一人ひとりが賢く強くなるしかないですよね。

もちろん、みんながみんな、過剰サービスを求めるわけじゃないし、日本人の優しさとか細やかさとかは愛すべき性質です。でも、損得勘定のために人の善意を利用しようとする人たちは残念ながらいるわけでして…。相手に対して真摯に向き合うことは必要だけど、理不尽な要求にはNOといえる強さがないと疲弊するばかりです。

今はいろいろなものの価値がものすごく下がりやすくて、その悪循環から抜け出せない状態が続いています。だからこそ、一人ひとりが毅然とした態度を取れるようになりたいもの。多分、それが過剰サービスに対する抑止力になるんじゃないでしょうか。

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